2008年05月20日

エゴとバラと台風

094155.jpg今年最初の本格的な台風が来た日に、ピエール・ドゥ・ロンサールとジュビリー・セレブレーションの一番花が咲いた。
なんと間の悪いことだろう!
我が家でも一、二を争う美人花がよりによってこんな日に咲くなんて。

今、ベランダでは早咲きのバラが咲きおさめを迎え、ちょっと遅咲きのバラたちが「さあ、今こそ!」と咲き出したところである。
ウイリアム・シェイクスピアが、レディ・エマ・ハミルトンが、バフ・ビューティーが、グラハム・トーマスが、ジュリアが、早春が、ただでさえ重そうな花首を雨に打たれてより一層うなだれて、激しい風にあおられている。
スノーグースが、メアリーローズが、コーネリアが、アンブリッジローズが、メアリー・マグダレンが、散り際を無残に雨に叩かれている。
ピエール・ドゥ・ロンサールが、ジュビリー・セレブレーションが、たわわにつぼみを実らせた枝をムチのようにしならせている。
見るに忍びない光景だ。
094320.jpg引っ越す前は、台風が来るとすべてのバラを屋内に取り込むような過保護ガーデナーだった。
だが、今はそうも行かず、バラたちにも、そのほかの植物たちにも、自然の中で耐えてもらうしかない。だからといって、自分ひとり屋内に座して窓から「今が盛りのバラたち」を眺めるのも落ち着かず、結局、合羽を着こんで一緒にベランダで雨に打たれることにした。
バカである。

散り際の花をカットし茎の負担を和らげ、細い枝には支柱を添える。昨日のうちにやり終えたと思っていたが、見逃したものも多い。
己の観察眼のザルさ加減をののしりつつ、いつのまにか心の中で「がんばれよ!」などとバラに語りかけたりしている。
一番風通りの激しい一角に植えたバラが狂ったように枝を振るわせるのを見て「すまない!」と謝ったりしている。
声に出すとすっかりアブない人だが、まあ心の中で言っているくらいなら問題なかろう。植物と会話してしまうガーデナーは多いに違いない。

094331.jpg人は愚かである。エゴイストである。
台風が来ればこうなるとわかっているのに、風の強い5階のベランダにバラを植え、そして台風が来たらバラの木を抱きかかえるようにして己と自然をののしるのである。
もし人がバラを「美しい」と思わなければ、こんな風に不自然に大きく重く花びらも多く美麗には改造しなかったろうし、ノバラのままであればバラたちも台風にこうも痛めつけられはしなかっただろうに。
なまじ人に惚れられてホント迷惑してるし、とバラたちはぼやいているかもしれない。
すいません・・・

そう謝りつつ、バラに言葉のトゲ返しをしてみる。
あんたらも自然の本能を働かせて台風の接近を察知して、花を咲かせるのを一日くらい先延ばしにしてみてもいいんじゃないか。何もこんな日にわざわざ咲かなくたって・・・
そうぼやきながら雨にぬれた花に顔を寄せてみると、こんな日にもバラは美しく香った。
posted by とんべり at 09:46| 千葉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | ガーデニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わかります・・・・。
今年はことのほか、やけに、頻繁に台風が来ますね。梅雨入りも早かったですね。
我が家の疎開中のバラ、先日実家に行きましたところ今まで見たこともない繁り方、蕾の量で元気そうです。改修工事は終わったのですが開花中に運搬しては花や蕾が落ちるから、というよりなんだか連れて帰るのがヒドイ仕打ちのような気がして(笑)ハーブなんかから先に家に運んでます。
Posted by mappi at 2008年06月10日 17:15
>mappiさん
ガーデナー泣かせの天候不順ですよねー
四季咲きのバラといっても、やはり最盛期は5月。
この時期の長雨、強風は、本当に恨めしい。
でも、アメリカのどこかでは、水不足のため芝生に水遣りをするとご近所の人から警察に通報されるそうです。
ベランダーが、もし水遣りを禁止されたら・・・
植物たちは即死です!
台風も来るだけマシ、雨も降るだけマシと、そう思うことにしました。。。

ご実家は一戸建てでしたよね?
マンションのルーフバルコニーは、かなり植物にムリさせますからー
とは言うものの、ここら辺で、今くらいの大きさの地べた庭は、なかなか持てないですよね〜(汗
Posted by とんべり at 2008年06月10日 22:17
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