2011年08月08日

秘密の花園

やっと夏らしくなった太陽の下、久々にガーデニングに精を出している。
忙しさにかまけて放置した庭は、もうぼろぼろ。
ガーデンは人を映す鏡。
世話する人間の心が荒れていき、そして庭も荒れていく。

忙しさ・・・と書いた。
だが、それだけではない。
庭にいるのが辛い。どうしようもなく辛い。
ダンナのお気に入りの椅子は、ガタも来ていたし、危ないから捨ててしまった。
でも、まだそこにいるような気がする。
すごくするのに、いないのが辛い。
庭はここにある。
私はここにいる。
なのに、ダンナはどこに行ってしまった。
ぬけるような青空を見上げて、どこかそこら辺から私のことを見ているのかと問う。

「秘密の花園」というイギリス児童文学の名著がある。

亡くなった奥さんが愛していた庭を見るのが辛くなり、庭の入口に鍵をかけ閉ざしてしまった男がいた。
彼には一人の息子コリンがいたのだが、召使に託して放りっぱなし。
息子は病弱に、わがままに育ち、「大人になる前に自分は死んでしまうんだ!」と泣き叫んでは召使たちを困らせていた。
そこへ、両親を亡くした、男の姪っ子メアリーが引き取られてくる。
彼女もまた、わがままで青白い、親を失ったことを悲しむことすらできない子供だった。
大人たちに放置されたメアリーは広大な屋敷をさすらううち、コマドリの導きで古びた鍵を見つける。
それは長年閉ざされていた庭の鍵だった。
彼女は内緒で荒れ果てた庭の手入れを始める。
屋敷の庭師の息子ディコン(肩にカラスをとまらせ、ポケットにはリスを入れ、子羊を抱いて、足元にキツネをはべらせているような少年だ!)、コリンも仲間に引き入れ、庭は見る見る美しさを取り戻し、子供たちは生気を取り戻していくのだった・・・

子供の時にそろえてもらった『少年少女 世界の名作』(世界文化社)という絵本シリーズの中の一作で読み、司修さんの挿絵も素晴らしく、とても気に入っていた。
一度は手放したのだが、7年ほど前にフリーマーケットでシリーズ丸ごと発見し、捨て値で買ってきた。

庭は人の心を映す鏡。
今の荒れ果てたいたたまれないほど見るのが辛い私の庭は、私の心そのものだ。
だが、ぼろぼろの庭でも強風や水切れに耐え、葉は枝にしがみつき、一輪、ぽつりと一輪、けなげに花が咲いている。
小さく干からびたひどい花だが、それは紛れもなく花。
植物は必死に生きようとしている。

私も生きようと思う。
いつか、この庭にあふれるほどのみずみずしさと豊かさを取り戻したい。
そしてまた、私も豊かさを取り戻せたなら・・・
そう思うのだ。

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posted by とんべり at 18:13| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ガーデニング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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