2010年05月31日

Kaoru Work 『古代デー』

Kaoruさんといえば、日本のプロ・タヒチアン・ダンサーの第一人者で、『Te Ra キョウコさんかKaoruさんか』といった存在である。
が、去年までは存じ上げなかった。無知なとんべりだ(笑
ダンスを始めたのが1年前なんで、まあ、許してやってください。

昨年、お友達に誘ってもらってKaoruさんのショーを観にいったのだが、美貌と人柄と踊りの美しさは比類なく、すっかり虜になってしまった。
そのKaoruさんのワークに参加できるチャンスが飛び込んできたのである!
第1回が『古代デー』、第2回が『現代デー』
どちらも受けたかったので、仕事と重なる『現代デー』も有休を申請した。(取れるかどうかはまだ未定。。。)
最近、すっかりワーク・バカになってるのだ(爆

場所は、麻布のつづきスタジオ。
見た目はちっちゃなペンシルビルに過ぎないのだが、由緒あるスタジオだそうだ。
当日も、1階下のスタジオでは『東〇映画株式会社 演劇部』なる方たちの練習が行われていた。
横幅いっぱいに鏡が張ってあって、そこに横3列に並んで練習したのだが、自分自身もKaoruさんの姿もとても見やすい。
天下のGBTのロレンゾのワークが、鏡もないようなどっかの公民館で行われたのを見て、心を痛めていたとんべりである。
月謝1,000円の『やさしい手話教室』でもあるまいに、開催場所だってステータスのひとつなんだから、主催側ももう少し考えてロレンゾにもこれくらいのスタジオは奮発してもいいんじゃないかと思うのだが・・・

ワークはベーシック→オテア→アパリマの3本立てで、時間にして4時間の長丁場である。
実は、とんべり、1週間前に所属教室の大先生のワークを受けたばかりである。
筋肉痛はひどいし、覚え切れてないアパリマの振り付けは頭で渦巻いてるし、こんな状態でさらにワークを受けるなんて無茶だ。
でも、無茶でもしないと人間は自分の限界を押し広げられないので、老骨にむち打ってLet's tryである。

まずはベーシック。
今日は『古代デー』なので、あまり複雑なステップはないと聞いていたのだが、ここでも普段練習しているステップがほんの基礎の基礎であることを痛感した。
やったことないものがたくさん!
うへーっと思ったが、ここで覚えて家で練習すればステップの種類を増やせるんだからとへコまずにチャレンジ。
その中に、かかとを思い切り上げたしゃがみ状態でちょこちょこ前進するステップもあった。
つんのめっておでこを打ちそうだ、超恥だ!と慄いたのだが、やってみたら意外とできた。
そういえば、ロレンゾのオテア・ワークの時も、しゃがんでバッと片足を伸ばしてポーズを取るところはできたので、筋肉だけはついてるみたいだ。
多少の成長を自分でほめて、気分をアップ♪
やがて、縦3列に並んでステップを踏みながらスタジオをぐるぐる回りだしたのだが、しまった!とんべり、一番外周に位置取りしてしまった〜
直進はいいんだけど、カーブに差し掛かると大股で進まないと遅れてしまう。
1歩で1m進みながらファアラプとか無理ですって〜
半ばかけ足でスタジオを何週もする。あふーー
そんなこんなでベーシック終了。
滝汗でTシャツはずぶ濡れだし、化粧はぶっ飛んで眉毛がないし、マスカラがはがれて目に入って超痛いし、この後にオテアなんて絶対に無理だと思った。。。

けれど、レッスンは無情に続く。
オテアの曲は"Anciennete"(で合ってるかな?)『古代』という意味だ。
今日習う踊りはどれも、Kaoruさんがタヒチアンを始めた15年ほど前に良く踊られていたスタイルで、今日流行のGBTなどと違い、大変シンプルだという話し。
ほぼ基本のタイリとファアラプとヴァルで構成されていて、同じことの繰り返しが多い。
だからって、とんべりがさくっと踊れるわけではないのだが、それでもちょっと練習したらなんとかなりそうな予感を持てる振り付けだ。
GBTみたいに絶望的な気分にはならなかった(笑
こうやって習ってみると、GBTの振り付けはやたらいろんなステップが投入してあって、せわしない感じがする。
まあ、ベガスとかでショーをするんだったら、本来の泥臭いタヒチアンでは受けないだろうし、あれくらい派手じゃないと話にならないんだろうねー

さて、べーシックに続きオテアが終わった時点で、どうもとんべりの脳は崩壊の兆しを見せ始めたようだ。
先週のアパリマと、さっきのオテアと、さらにはその前のロレンゾのオテアや教室で習ってる最中の振り付けまでが脳内でぐつぐつ煮えだし、猛然と脳細胞を熱攻撃。
ファンが全力で回転しても冷却が追いつかず、もうフリーズ寸前の状態になってしまった。
アパリマは"Parahi Oe"という恋の歌で、おねいさんがかわいい声で歌謡曲チックに歌い上げるのだが、前頭葉から流れ込んでくる歌声もKaoruさんの説明も、頭蓋骨と脳の間をするっと通り抜けて後頭部からじゃんじゃん流れ出ていく。
このプログラムの遂行はどうやら無理っぽいので、ここで処理することは諦めて、とにかく冷却に努めることにした。
アタマを空っぽにして周りの人の動きに合わせてなんとなく前後左右。
適当にやり過ごしていたら、あっという間に終わってしまった。
あれ、短い?と思ったら、Kaoruさん「今日はアパリマがもう1曲あるの」
な、な、なんですと?!
すでに炉心融解を起こしチャイナシンドロームなとんべりの脳は、もうこれ以上労働することを拒否しているのですが・・・と悲鳴をあげつつKaoruさんの声に耳を傾ける。
2曲目のアパリマ"Te Mo'a O Te Taurea"は、Kaoruさんが初めて踊ったタヒチアンで、大変思い入れのある曲なのだそうである。
もらったワードには作者がJeon Hotahotaさんと記してあって、それを見てtotoraさんが興奮して何か言っていたのだが、脳がお留守のとんべりはなにを言っているのか聞き漏らした。
ところが、曲が流された途端に、とんべりの全身にビリビリと電気が流れたのである!
泥臭いドラムとバンジョーのリズム。
塩っ辛く張り上げた地声のコーラス。
力強い歌のパワーが波のようにスタジオを浸していく。
そこにはとんべりが魅了された自然と人の生命力が満ち満ちたタヒチの姿が凝縮されていた。
歌詞の内容は古老から若い人に宛てた力強いメッセージである。
タヒチの空を、海を、大地を、広がる地平線を、生命を堂々と歌い上げたポリフォニック。
太い2本の足で大地を踏みしめ、力強い黒いこぶしを曇りない空に突き上げていくイメージが、またどこまでも青い深い海に浮かぶカヌーを風のように操る躍動する肉体のイメージがとんべりの脳内にありありと浮かび上がる。
これである、とんべりが思い描くタヒチである、これが踊りたかった、いや、歌いたい、全身でこのタヒチを表現したい!
さっきまでのフリーズはどうした?と自身も驚く復活振りで全身を曲に没頭させていく。
「この曲を習ったことある人はいますか?」とKaoruさんが訊ねたが誰も習ったことがない。
「残すべき歌だと思うの。ぜひ、覚えて伝えてください。」
うんうんうん!とんべりも本当にそう思う!!
来てよかった。
日々のきびしい練習のなかで、ステップの出来ばかり気になって、ハートを忘れかけていたとんべり。
何のためにタヒチアンダンスを習いだしたのか、そのことを思い出した。
くびれボデーをメイクしたいわけでも、カッコつけて踊りたいわけでもない。
いや、もちろんそれに越したことはないんだけど、それはハートを表現するために必要な要素であって、ハートなくしてなんの舞踏表現だと思うのである。
人間は、大事なことでもいとも簡単に忘れてしまう生き物なのだなあ・・・

ワークは終わり、最後はKaoruさんの模範演技を各自録画する。
オテアも良かった。
かわいいアパリマも良かった。
でも、最後のポリフォニックは、もう何をかいわんや。
踊るKaoruさんの姿をカメラで追いながら感無量であった。
ふと見ると、参加者の一人の人が顔を覆って伏していた。
Kaoruさんが「どうしたの?!」と駆け寄るとその人は「・・・感動した」といって泣いていた。
激同なとんべり。
体の水分が全部汗になって出てなかったら、とんべりも泣いてるところだった。
ああ、ここにもタヒチを愛してやまない人が・・・
タヒチアンダンスの教室に通っていても、必ずしもタヒチラブの生徒さんばかりじゃないので、時々、寂しい気持ちになる。
愛を分かち合える人と遭遇できるのも、またワークの大きな魅力である。

さて、次の『現代デー』だが、無事有休は取れるのだろうか?
それ以前に、習った振り付けをどうにかこうにか整理しておかないと、次は最初からフリーズしそうな予感・・・(滝汗

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↑細くて小顔のKaoruさんの横に立つと、通常増し1.5倍です(汗
罪作りなボデーですよぅ
ダイエットを決意した1ショット(爆


*Jean Hotahota・・・別名"Coco Hotahota" Te Maevaのリーダーさんです。GBTの対極みたいなグループでしょうかね?昔ながらの泥臭いタヒチアンを表現しているグループのようです。



posted by とんべり at 13:13| 千葉 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | フラ&タヒチアンダンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月18日

今年はフル@日本横断『川の道』フットレース2010 D

新潟県を踏んだところで終わった今年のダンナの『川の道』
しょっぱなからアキレス腱がダダをこねたが、だましつつ、あやしつつ、日本海側までやってきた。
とんべりやとんべり母の心配をよそに本人はまだまだ走れるような気がしていたらしいが、体は正直者で、タイムアップしたと知った途端、全面ストライキに入ったようだ。
いきなり歩行困難。
「あーもう俺ダメ、ヒッチハイクでもしよう。」と手を上げたら、ぴたっとタクシーが止まった。
ほとんど車も走ってないような道のくせに、鋭すぎるタクシーの営業嗅覚だ(笑

車に乗れば、あれほど苦労して進んだ道も、ほんの一瞬の距離にすぎない。
便利である、快適である。
快適なことは悪くない。
とんべりも快適さは大好き。
でも、時々、不便体験をすることも悪くないと思う。
わざわざ、自分の足で移動したり、自分で食べるものは自分で運んだり、寝る場所をそのつど探したり・・・
そういう時代に逆行したようなことをしているとどんどん大変になってきて、歩きながら必要ないものをちょっとずつ道端に捨てていったりするのである。
辛くても運びたいほど大事なものが何なのか、分かってきたりする。
あ、もちろん、本当に物を捨てるわけじゃないです。修辞的表現てヤツね(笑
世はデトックスブーム。
余計なものは脳からも排出したほうが健康に良い。

最後のレストポイント『深雪会館』に到着。
途中何度か一緒になったランナーのひとりの方と再会する。
この人は、寛平ちゃんも走ったサハラレースに参加してきたばかりだそうだが、そのサハラより『川の道』の方がきついとこぼしていた。
やはり、あの三途の川付近を夜間走行中、思わず泣いてしまったのだそうだ。
「今までの人生で、泣きながら何かをしたことなんてなかったです。」
泣きながら走っていた所、後ろから来た選手ふたりにピックアップされ、気を取り直してここまで辿り着いたということだ。
もちろん、サハラレースだってすごいレースである。
炎天下の砂漠を250km 7日間かけて走破する。
こちらは全行程の食料をすべて自力で担がなければならない。
水は毎日主催者が用意してくれるものを持っていけるが、寛平ちゃんが走った時は、計算を間違えて最後の1日は食べるものがなくなってしまった。
ただ、このサハラレースは、ほぼ夜間走行がない。
最後の方にオーバーナイト・ランが1回だけあるが、後は1日毎にピリオドがあるので、そういう点では6日間通してすべてのペース配分を自分で組み立てる『川の道』より凌ぎやすいと言えるかもしれない。
『川の道』・・・まことに恐ろしいレースである。

深雪会館では、靴のアクシデントを抱えた師匠も、幾度か一緒になった今回最高齢ランナーさんも新潟目指してメンテに余念がない。
すでにレースが終わってしまったダンナは、ただお見送りするばかり。
スタッフの方に、ゼッケンはずしての自由参加を勧められたらしいが、さすがのダンナもその気力体力は残っていなかった。
重い荷物と、かなり軽くなった体と、ほぼ空っぽのアタマを飯山線に押し込み、第三レストポイントを後にしたのだった。

その頃、とんべりは息子から電話を受けていた。
「親父どうした?」
「いやー、頑張りましたが今回は終わったようですよ。夜には帰ってくるみたい。何か伝えたいことでも?」
「旅は九十九里をもって半ばとせよ・・・最後まで気を抜くなと伝えてくれ。」
「はいはい、ラジャー」
ところが、このムスコのじーさんめいた警句が本当のことになってしまったのである。とほほ。
レースが終わった津南からは、飯山線で十日町駅まで出て、そこからホクホク線とかいう電車に乗って新幹線の通る越後湯沢駅まで出なくてはならない。
ちょっと面倒くさい場所にあるのだ。
ダンナはとんべりが送ったタイムテーブル通りに新幹線の指定席券を買ったのであるが、オツムが空っぽすぎて十日町で乗換えをしなかったのである!
間が悪いことに、十日町駅で新幹線みたいな白い特急(『雷鳥』だった)をちらりと見てしまい、すっかりここで新幹線に乗れると勘違いし、時間が来るまでぼーっとしていたんだそうである。
あああ〜、やっぱり迎えに行けばよかったーー
幸い、次の新幹線の席を取ることができたのだが、こんな脳細胞スカスカ状態では、東京駅から自宅至近の駅までだってなにが起こるかわからない。
デトックスしすぎだ。脳細胞まで排出してどうする?
「迎えに行くから東京駅から動くな!」とメールを送りつけて、とんべりは電車に飛び乗った。
東京駅の一番端の地下4階だか3階だかから、一番端の新幹線乗り場までダッシュ。
ケータイでどこの新幹線改札口にいるか聞いてみても、ダンナは「え、大きい改札だよ?」としか言わない。
ばかもん、東京駅には大きい改札しかないではないか!
やっと改札の名を聞きだして向かってみると、真っ黒に焼け焦げて、すっかり痩せて、いつもはぎょろっと黒い目がなんか灰色になってるダンナが幽霊みたいに立っていた。
ぎゃーー、義母に見せたら折檻されるーー!(滝汗
ダンナの弱った手から荷物を奪い取り、東京駅を端から端までまた歩く。
帰りの電車はグリーン席を奮発して、ダンナを席に押し込み、やっと人心地ついた。やれやれ。
「いやあ、それにしても理想体重になれて良かったねーこれで来年のレースはばっちりだ!」
「え、もう来年のこと・・・?」
「我が弱小ブログを読んでくださってる方もいることだし、ネタを提供してもらいませんと。めざせ完走♪♪」
まったく、オニ嫁ですな(笑

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↑すっかり弱ってます。
おかゆとか食べてるしな(笑



レースから約1ヶ月。
だいぶ元気を取り戻したダンナは、灰色だった目もすっかりぎょろっと黒く戻って、今では、走れなかった津南から新潟までのコースを走りに行ってみたいと話している。
早くも来年へ向けての一歩だ。
あの時も行けそうな気がしていた、来年こそは行ける気がすると、意欲満々である。

今回もいろいろな物語があった。
日韓対決は、前回チャンピオンが3位、韓国チャンピオンが4位と、日本の勝利で終わった。
1位になったのは、過去2大回リタイアしていたベテランの選手。
昨年、チャンピオンと最後までドラマチックな優勝争いを演じた選手は小諸の前でリタイアしている。
師匠は他人の靴できっちり完走したうえ、『川の道』に開眼したという。
最高齢ランナーさんは、深雪会館の先で惜しくもリタイアとなった。
ひとりにひとつの物語がある。
こんな選手もいた。
ダンナが三国峠でご一緒したランナーさんは、かつてクライミングを趣味としていたのだが、事故で歩けなくなってしまったのだそうである。
病院で寝たきりになっていたのだが、ある時、なんだか歩けるような気がしたので立ってみたら、立ててしまったんだそうだ。
それからはこっそり夜中に歩く練習をしていたのだが、ある夜、看護婦さんに見つかって夜中の練習は終わりを告げた。
退院してからは、リハビリのためにハセツネを走っていたそうで、ハセツネ完走10回でもらえるアドベンチャーグリーン(永久ゼッケンですね)の持ち主なんだとか。
『川の道』の話を聞いて、良さそうだと思って参加したということである。いやはや。。。
普通、そんな大怪我をしたら、もっと体を労りそうなものである。
同じリハビリするにしたって、せっかく治った体を再度壊しそうなことをわざわざしなくても・・・と言う人もいるんじゃないだろうか。
そういう無謀なことができてしまう特殊な人なんだと言ってしまえば、まさしくそうなのだろうが、とんべりは『特殊』とか『すごい』の一言で片付けてしまうのは残念だなと思う。
レースだとか、競技だとか聞くと、『選ばれた人のもの』という意識を持つ人が少なくないが、とんべりは『選ばれた人たち』ではなく『選んだ人たち』のものだと思っている。
そこに自分の夢や可能性を見出してこだわっていく人たちのもの、そういう人たちが自分の物語を作っていく場所なのだと思う。
ランナーだけではない。
レースを作るすべての人たちの物語をつむぐ『川の道』
川が流れ続けるように、川の道の物語もまた、留まることを知らず流れ続け、やがてまた、新しい物語を作っていくのであろう。

うーん、いいこと言ったな!
いやあ、長文だった!レースが長いんでしょうがないけど、こっちもあやうくギブするとこだった。
来年はもっと長くなってくれることを期待してますよ、ダンナ。
何とかかんとか締めくくったところで、それじゃ皆様、また来年がんばってください〜〜♪
posted by とんべり at 19:24| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | タヒチ走遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

今年はフル@日本横断『川の道』フットレース2010 C

―あいかわらず4日目―

21時、CP17浅野交差点通過。
脚はまだ動くようだ。ゲロも止まっているらしい。
「津南までは行きます」と言うメールを見て、地図を引っ掻き回す。
津南て、どこだ???
こちゃこちゃ細かい地図に目を凝らすと、津南は最終レストポイント『深雪会館』のあるところだった。
ここまで来たのなら、やはりレストポイントをめざすだろうことはわかる。
ただ、この一夜は今までになくきびしいものになるだろう。

ダンナは津南目指して前進、また前進。
ろくに寝ていない体に、夜の単調さが襲い掛かる。
とにかく、この浅野交差点から飯山駅までの道がやたらと暗い。
横に千曲川が流れているのは、ちらちらしたかすかな動きでわかるのだが、それ以外はなんにも見えない。
ヘッドライトが照らす自分のちょい前の道が見えるばかりだ。
まるで三途の河原みたいな不気味ゾーンをフラフラしていると、非現実感が湧き上がってきて、起きているのか眠っているのかも分からないあいまいな気分になってくる。
『川の道』のフルも後半になると、肉体のみならず精神への負荷が並大抵ではないらしい。
ダンナから聞いた話しだが、いろいろな人がいろいろ奇矯な振る舞いに及ぶのだそうである。
信号機に向かってののしる人。
「どうして、走っても走っても〇〇町なんだ!」と住所表記板に食って掛かる人。
(脱出できない町なんて、キングの書くSFホラーみたいで怖い)
レースが終わっても、そこらにおかしなものが潜んでいるような気がしてならない人。
ダンナはどうなることかと思っていたが、この三途ゾーンにおいてついに『歩く→フラフラする→叫ぶ→歩く→フラフラする→しゃがんで一瞬寝る→立ち上がる→フラフラする→叫ぶ』という怪奇現象を体現するにいたったようだ。
やはり、かつてない脳内麻薬物質を分泌するには、かつてない体験を己が肉体に強いなければならない。
とはいえ、沿道に民家がないことを切に祈るとんべりである。
「この時期、一体なにが・・・?」
そう、不安に駆られている方がいては申し訳ない。

1時過ぎ、CP18飯山駅到着。
限界に達したダンナ、多目的トイレに転げ込む。
ここが今夜の宿だ。
多目的トイレなら広々しているし、立派な壁もあるし、ゴージャスな宿と言えるが、いかんせん、地面からの冷え込みがきびしい。
飯が喉を通らなくなり熱を発生しなくなった体に、夜の冷えが忍び寄る。
洋式便座の上に猫みたいに丸くなって仮眠を取る。

―5日目―

怪奇体験の一夜が開け、4回目の朝が来る。
4時、起き上がり待合室に向かうと、後半ハーフのランナー数人と出会う。
励ましあった後、出発。

痛めた左アキレス腱はすでに麻痺して、あまり感覚がない。
代わりに、負荷のかかる右アキレス腱が痛み始めた。
下りは走れるが、上りはなんともしがたい。
どんどん遅れていく。
津南までの距離は約40km、フルマラソンに等しい。
関門は11時だ。
無理だろうと思う。
間に合わないだろうと思う。
行けるところまで行こうと思って足を運ぶ。
関門はひとつのピリオドだが、タイムだけがランの目的ではない。
この飯山から津南までのコースは、『川の道』きっての美しい景観を楽しめるところでもある。
三途の川を乗り切ったランナーへのプレゼントだ。
景色をめでつつ前進。

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↑新潟へも、また東京へも続く道です

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↑飯山周辺は山容がたおやかです

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↑ハニワな家。一体なんでしょうね?

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↑山の頂には真っ白な雪

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↑スイセンがきれい♪

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↑夜は三途の川でも、光の中ではこんなに美しい千曲川

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↑ひっそりとランナーを応援する桜

一方とんべりは、ダンナが津南でリタイアするのか、もしや新潟まで行くのかと気をもんでいた。
まず今回の旅は津南までだろうと思うのだが、お迎えに行ったものかどうか悩ましいところである。
帰りの新幹線の指定席券を取って渡したいのだが、いつ着くのかも、帰途につくまでどれくらい休むのかも分からなくては、券の取りようがない。
パソの時刻表を睨みながら、車をレンタルすることも検討する。
が、もう何年も、ごくたまに、海外の田舎で、右通行左ハンドルの車しか運転してない。
事故まっしぐらな気がする・・・

関門数分前。
母がメールでダンナの安否を聞いてきた。
返信を打っていると、電話が鳴った。
「11時、タイムアップしました〜とりあえず津南まで行きます〜」
「乙です〜〜ところでどこまで行ったの?」
奇しくも、ダンナは新潟県にちょうど入ったところ、千曲川が信濃川に名前を変える宮野原橋上でタイムアップしたようだ。
よく川の河口付近には『海まで〇〇km』と書いた看板がかかっているのだが、『海まで175km』という看板が現れたところでもあったという。
「来たんだね、新潟」
「来た来た」
「長かったね」
「長かった」
「お迎えに行こうかと思うんだけど・・・」
「いや、だいじょうぶだから気にしないで。」
意外に声がしっかりしている。
絶対相当消耗してるはずで心配は心配だったが、GWに遊びすぎて部屋が片付いてないし、疲れたダンナがこんなところに帰ってくるのも気の毒だ。
それじゃあと、パソで調べた電車の時刻をメールして、とんべりは猛然と主婦業に突入した。    (Dに続く)

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↑激戦の背景には優しく咲く花とゆったり流れる川


*走者の意識が、後半かなり混濁状態だったので、話の流れや出会う方の状況など前後しているところがあるかもしれません。お気づきのことがあればご指摘くださいませ。


posted by とんべり at 00:52| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | タヒチ走遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

今年はフル@日本横断『川の道』フットレース2010 B

―4日目―

4時、CP14通過。
上田城の城郭跡にある黒い森が、暗闇にぼんやりと浮かび上がる。
見えるのだが、走っても走っても着かない。

昨日、余裕を失っていたダンナは水分補給と予防のための胃薬の服用をつい怠ってしまった。
小諸にたどり着いた時、冷たい水をがぶ飲みして、すっかり胃腸を冷やしたらしい。
そのせいか食欲もなく、たいして食べなかったと言う。
いつも「レースは食欲次第」と言って良く食べていたダンナの食が落ちたのは、どう考えても赤信号である。
脚に加え、胃も壊れかかったガタガタの状態で進軍していると、深夜営業のデ〇ーズを発見した。
一眠りしがてらスープでも口に入れるかと寄ったのだが、このデ〇ーズの客層がひどかった。
ヤンキーとヤーさんとその情婦みたいなのばっかりで、非常に雰囲気がよろしくない。
しかも、コンソメかポタージュがほしかったのに、野菜スープしかなく、出てきたのを見れば生煮えだった。
くそデ〇ーズ、二度と来るか!と心の中でののしりつつ、くたびれた体を引きずってまた走り出す。
時々寝ながら進んでいるようだが、寝るったってどこかそこら辺の道端である。
ゼッケンをつけてなかったらあぶない人にしか見えない。

9時、ダンナから電話が入る。
昨日のタイム超過の一因は道に迷ったことらしい。
小諸の手前で、今回最年長71歳のYさんと一緒になったのだが、ダンナが道を勘違いしてあちこち引きずりまわしてしまったようだ。
Yさん、申し訳ありません。。。
『川の道』は全長520kmの間にランナー50人ほど(ハーフ参加の人もいますが)なので、一人旅になりがちである。
カーナビもないし、目印の建物もほとんどないし、きちんと地図を読む能力も求められるのだ。

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↑川は留まることを知らず

この日、とんべりは父母ムスコと一緒に横浜に遊びに行った。
横浜育ちのとんべりはマリンタワーや山下公園には良く遊びに行っていたが、ムスコは一度も行ったことがないので、連れて行くことにしたのである。
まずはそごうでお昼を食べて、そこからシーバスに乗って公園まで行くことになった。
GW2回目のショートクルージングである(笑
こちらのシーバスは人も多くて、15分間隔で発着する船のチケットが瞬く間に売れていく。
だが、船内はすし詰めで、子どもがワーワー泣いている。
クルージングと言うよりは難民船だ(笑
船は、みなとみらい21、赤レンガ倉庫とめぐって、山下公園に到着した。
ムスコがはしゃいで氷川丸を見たいと言いだした。
そういえばとんべりも内部を見たことがない。
父母を休ませておいて、ふたりで探検に行くことになった。

ここからは、氷川丸内部をしばしご覧ください♪

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↑一等児童室の壁面の画
ワカメちゃんだねー

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↑一等食堂

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↑レオ様立ちのムスコ
そこら中、タイタニック気分の人ばかり(笑

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↑一等特別室の寝室

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↑お約束の船長さん写真

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↑船長寝室
特別室に劣らぬゴージャスな調度

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↑船長の個人バス&トイレ

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↑一等社交室
ダンスパーティーがあったそうです

16時過ぎ。
一等社交室でアームチェアにふんぞり返って華族気分に浸る。
そういえばダンナはどうしたかとメールチェックすると、1時間ほど前に着信があった。
CP16の善光寺に到着したものの、混んでるし、暑いし、生煮えスープのゲロは吐くし、グロッキーだと泣き言のオンパレードである。
これはまずいと速攻電話した。
「もしもし〜、今どこにいると思う?豪華客船の一等社交室♪」
鬼ヨメだなーーーー(爆
タイタニックなとんべりと対照的に、ダンナはぜんぜん食べてないし、体調は最悪なようだ。
おまけに道を間違えていることにずいぶん経ってから気がつき、かなり引き返してきたらしい。
善光寺に着いたものの、境内の一角でしばし気を失っていたようだ。
「どこか蕎麦屋でも見つけて、あったかい汁でもすすりなよ。アミノ酸もたっぷりだし、胃もあったまるよ。」
気がもめるが、励ましたり鞭打ったり、言葉攻めすることくらいしかできない。
ただ、善光寺なら交通の便もいいし、人目も多いし、リタイアするにせよ、壊れて倒れるにせよ、ナイスポイントと言える。

半壊のダンナをよそに、父母と合流して、ニューグランドホテルでアフターヌーンティーを頂く。
とんべり、お茶を飲み飲み、持ち歩いているタイムテーブルと大量の地図を出してきて次のレストポイントのチェックをする。
何せ道中が長いので、1/50000のA3の地図が20枚もあるのだ。
CP17まで15キロ。
そこからCP18まで18キロ。
区間距離は短いし、飯山線の飯山駅があるので安心だ。
しかも、飯山は義母の実家である。
まんざら知らぬ土地でもないので、未知の場所よりは心強い。
が、そこからCP19のレストポイント、宮野原温泉『深雪会館』までが長い。
40km おおよそフルマラソンの距離だ。
いつもだったら、どうという距離ではないのだが、ここまで弱っている時の40kmは相当きつそうだ。
深雪会館の関門は、明日の11時。
非常に微妙な時間である。
持ち直せば間に合わない時間でもない。
間に合わないまでも、大幅にずれ込むわけではないので、荷物をピックアップするためにも目指すんじゃないかという気がするのだが・・・

その頃ダンナは、蕎麦屋に御輿をすえたところであった。
「カレーはドリンク」と豪語するダンナが、30分かけて2/3のかけ蕎麦をすする。
他にお客がいなかったので、ちょっと小上がりで休ませてくれないかと掛け合ってみたのだが、店主は断ったそうだ。
拾う神あれば捨てる神あり(笑
一見、無愛想な手伝いのおねーさんは意外と親切で、あれこれ気を遣ってくれたらしい。
おねーさんの小さな親切に感謝しつつとぼとぼ歩を進めていると、なんと、こんなところで楽松師匠に抜かれた。
記録を拝見すると、師匠はダンナよりちょい後ろを走っている。
小諸到着は1時間以上後なのだが、たぶん常に淡々と走り、休むところできっちり休み、体力を十分温存して先へと歩を進めてらっしゃるのだろう。
闇雲に突っ走り、ろくに休憩しないでまた慌てて走り出すような自滅ループには無縁なようだ。
「うーん、いつもこの辺で後半ハーフのトップ4人くらいには抜かれるんだけどなー」と飄々と走り去っていったと言う。
師匠にとって、『川の道』はすでに冒険ではなく、お勤めになっている感がある。。。

*後で師匠のブログを拝見したのだが、実は小諸で靴を間違われて、その後、他人の靴で走っていたんだそうな。
ランナーにとって最悪のアクシデントなのに、飄々と走りきり、『川の道』の走り方に開眼したという師匠、すでに神の領域である・・・

一方、とんべり一行は暮れなずむ横浜をマリンタワー目指して進む。
子どもの頃、やたら来ていたマリンタワーだが、なんだかすっかり様子が変わって気味悪いおしゃれスポットになっていた。
とんべりを魅了した妖しい船の模型の数々がすっかり姿を消し、ぞっとするようなイタリアンレストランになっている(爆
チケット売り場で、ムスコがキレイなおねーさんに「がんばります!」なんて媚を売っているので何事かと思ったら、草食系のくせに階段を歩いてマリンタワーを上るイベントにチャレンジするんだそうな。
負けず嫌いのとんべり、こんな草食ムスコに負けるかと階段に向かったのだが、扉の外に出て凍り付いてしまった。
むき出しだ!そこら中が丸見えだ!
しまった、高所恐怖症だった〜〜〜〜!
自宅のマンション5階でも、外廊下を歩いているとくらくらする。
こんな風の強い日に30階の高さなんて論外である。
いたしかたなくムスコを見送りスケルトンエレベーターに乗ったが、これがまた気分が悪い。
展望台に着いたが、心臓がバクバクして脂汗がネットり。
壁に張り付いたまま、ムスコが階段から落ちることばかり想像してしまう。
生きた心地のしない数分が経過し、ムスコがへらへらしながら姿を現した。
「初めて勝ったな」
くやしーーー!心配して損したーー
とりあえず写真を撮ろうと窓に寄ったが、笑えるほど及び腰なのが自分でもわかる。

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↑帆の形のインターコンチのビルと観覧車

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↑氷川丸とクルーザー

その後、とんべりとムスコは父母と別れ、帰宅の途へ。
ダンナはどうなっただろうか?
メールをしてみよう。        (Cへ続く)



*走者の意識が、後半かなり混濁状態だったので、話の流れや出会う方の状況など前後しているところがあるかもしれません。お気づきのことがあればご指摘くださいませ。
posted by とんべり at 12:20| 千葉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | タヒチ走遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月11日

今年はフル@日本横断『川の道』フットレース2010 A

―1日目―

とんべりが、ガキの激しい攻撃に身をさらしていた同じころ・・・

公園を出発して荒川を遡上しだしたダンナは、イタキチさんと四方山話をしていた。
なんとうれしいことに、イタキチさんはとんべりの弱小ブログを読んでくださっていたらしい。
このときダンナは、速いイタキチさんに付いていこうとして、序盤からももが筋肉痛になってしまったという(爆
イタキチさんはというと、ハーフ前半の部2位入賞の快挙達成!
が、ダンナは、オレが四方山話で彼女の足を引っ張ったせいで2位に甘んじることになったんじゃなかろうかと案じていた。
長距離ランナーの皆さんは、レース中に結構会話してるようなのだが、「走りながら会話ってどーゆー肺?」といつも思うとんべりである(笑

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↑日本海まで続く道

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↑沿道の菜の花が美しい

18時にCP3を通過したダンナだが、想定タイムより遅い。
昨年実績とは変わらないので、想定タイムを欲張りすぎているようだ(笑
ダンナはケータイを持っていっているが、電池の消耗を危惧して、時々、「〇〇通過」とか「〇〇痛い」とか「眠い」くらいしかメールを送ってこない。
そのメールと、ダンナが置いていった『昨年実績と今年の想定タイムテーブル&地図』を照らし合わせて、とんべりはあちらの状況を想像している。
アキレス腱はどうだろうかと懸念していたのだが、やはりどこかそこら辺でピキッとなってしまったようだ。
いきなり走れなくなったダンナだが、とりあえずテーピングでがちがちに固めてなんとか前へと進みだした。
「いっそ腱が切れてしまったのなら諦めもつくが歩ける内は前に進む!」
そういう人たちのレースなわけで、ダンナも最初のレストポイントの秩父こまどり荘までは行くつもりなのだろう。
しょーがないなー
一度走ったルートでもあるし、とんべりもあまり心配しないでその夜は寝ることにしたのだが、ダンナが痛むアキレス腱を抱えて夜通し走っていることを考えるとどうも寝つきが悪い。
放置妻のとんべりからして落ち着かないのだから、心配性の義父・義母にはレースのことなんか知らせられない。
知ろうものなら、止めに東京まで出てきかねない。
やれやれ・・・

―2日目―

6時にCP7通過。
ムスコがごそごそ起きてきて、「親父どーしてる?」と言う。
「当たり前だけど走ってるよ」と答えると、「冷たくなって転がったりしてなくて良かった」などと言っている。
縁起でもない。
まあ、ムスコなりに心配はしてるんだろう。
アキレス腱はどうなっただろうか?

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↑川の道なので・・・川を辿って行きます

15時、こまどり荘到着。
最初のレストポイントだ。
『川の道』には計25箇所のチェックポイント(CP)と3箇所のレストポイントがある。
レストポイントはホテルや旅館で、スタッフの方たちが選手の着替えや食料その他持ち物をレストポイントまで運んでくれる。
選手はここで風呂に入ったり、着替えたり、寝たり、ご飯食べたり、人間に必要なメンテナンスをあれこれするのである。
レストポイントには関門もある。
関門時間以内に到着できたらOK。
それから少なくとも2時間は休まなければならない。
何時間休むかは、各選手のプランによる。
そこら辺が『川の道』のきびしくも面白いところだと思う。

荷物もピックアップできるし、キリは良いし、ここでリタイア報告のメールなり電話なり来ると思っていたのだが、案に相違してダンナから「ふろめしねる」のメールが届く。
あんたはコーコー男子か?
これはまだまだ行く気なのかと、頭を抱えてしまった。。。

19時。
「ほとんど寝てないけど行きまーす!」とアムロみたいなメールを送りつけてダンナ出発。
「はいはい、行ってください、アムロ」とこっちもセイラさんになってみる(笑
どうやらテーピングがうまくいって、また走れるようになったらしく、ダンナのやる気は上げ潮状態だ。
が、こまどり荘の後には、難関三国峠が控えている。
レース通しての最高度地帯で、夜は真っ暗けなのである。
野生動物がたくさん出る。野獣も出るらしい。
夜間、女子は一人で通過しないでくれと注意されてるし、男子も視界不良による落下事故に注意が必要だ。
さらに、峠越えの後にはやたら寒い区域を突破していかなければならない。
昨年、ダンナはそこで仮眠を取る予定だったのだが、あまりの寒さに眠れず、結局、不眠不休で走りとおしてしまった。
想定タイムテーブルによれば、今年は、峠を明るいうちに通過するつもりだったようだが、出発時刻がこの時間では、通過は真夜中になるに違いない。
そんな山の中で万が一足が参ってしまったら、救出が容易ではないぞ。
うへーと思いながらも、見守るしかないとんべりだ。

0時、三国峠通過。
街中も夜は冷え込んだ今年、峠は極寒だった。
なかなかきびしい状況だったが、私設エイドに助けられてダンナもなんとか乗り切ったようである。
『川の道』は、そんなにエイドが設けられていない。
レストポイントにはご飯も寝床もあるが、基本、自分の面倒は自分で見るのが鉄則のレースだ。
だが、道中、ところどころに私設のエイドが設けられているようなのである。
一体どういう人がエイドを運営しているのかと言えば、出走する選手の所属する走遊会のメンバーだったり、有志の人だったり。
決して排他的なものではなく、レース参加者には広く暖かい援助の手をさし伸ばしてくれるという。
「『川の道』の人、こっちですよー」と暖かいテントに招き入れて、おなかに入れるものを振舞ってくれたり、ちょっと横にならせてくれたりする。
寒く辛い道中での暖かいふれあいの一瞬だ。
自分で自分に責任を持ち、己が脚で最後まで体を運んでいくのがキモのレースであるが、決して一人の力で走りきるのではない。
スタッフや有志の人たちに助けられて、初めて走り続けることができると知る。
そういう貴重な体験ができるのも、また、このレースのすばらしいところなのではないだろうか。
そして、『助けられた』と思った人が、いつか、恩返しがしたいと援助の手を差し伸べていくようになるのだろう。
『川の道』は、ただレースなのではない。
そこには生きていく『人の道』がある。

う〜〜ん、いいこと言ったところで、話を元に戻そうか(爆

―3日目―

三国峠でカモシカとオコジョに遭遇したダンナは、極寒地帯/原村で今年は仮眠を取ることに成功した。
昨年、チャレンジして敗れたバス停で新装備が威力を発揮したそうだ。気温0度の中、20分寝る。
起きた後は、次のレストポイント、昨年のゴールでもある小諸を目指してひた走る。

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↑人知れず咲く桜

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↑遠い山並みが雪で白くなってます

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↑河口ではあんなに広い川も、源流あたりではこんなにさわさわと流れてますね

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↑桃の花
沿道は春花盛り

一方、とんべりは友達に誘われて『気功整体』なるものを受けに相模原へ。
以前、気功体操を習ってたことがあるのだが、太極拳みたいでどうってことはなかった。
今回は、体にタッチせず整体するという超神秘体験だ。
なかなか面白い体験ではあったが、受けて何か変わったかって言うと・・・
とんべりが鈍いのかもしれん。
つか、去年は昼前には着いていた小諸に、まだダンナが着かないのが気がかりで、神秘に集中できない。
あ、でもそういえば、治療室に月刊ムーが置いてあったな(笑

治療が終わって慌ててメールチェックをすると、17時過ぎ、やっと小諸に到着していた。
去年より6時間も遅れての到着だ。
かなり体調もよくなさそうだし、ここまで走ったんだからもう十分な気もするのだが、メールにはたった一言、「去年よりしんどかった」とあるだけで、リタイアには一言も触れてない。
まあ、一眠りしてから考えるんだろうけど、小諸の関門が24時なのでまだまだ余裕がある。
行ってしまうつもりだろうな〜そりゃそうだよな〜
とんべりだってそうするだろう。

とんべりは、そのまま近くにある実家へと里帰りした。
実家の父母は義父義母ほど心配性じゃないので、いつもダンナが走ること応援しているのだが、今回に限っては「やめた方が良いんじゃないの?」とか「止められないの?」とか、ネガティブ発言を繰り返している。
520km/6日間は、確かに半端じゃない。
とんべりは、ダンナがそんなことばっかりやっているので、すっかり慣れっこになってしまったが、やっぱり、このレースはおかしい。

23時。
「未知の領域に旅立ちます」とメールを残して、ダンナは小諸を後にした。
あー、やっぱり行っちゃったよー        (Bへ続く)



*走者の意識が、後半かなり混濁状態だったので、話の流れや出会う方の状況など前後しているところがあるかもしれません。お気づきのことがあればご指摘くださいませ。
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2010年05月10日

回遊する人とマグロ@葛西臨海公園 A

さてさて、シーバス乗り場に急ぎ来たとんべり。
まさか、ここにもガキんちょがいたりしないだろうなーと恐る恐る気配をうかがうが、辺りはしんと静まり返っていた。
それはそうであろう。
あんな危険集団を船に乗せるなんて、水難事故を招いているようなものである。
管理大国『日本』では、ありえないだろうな(笑

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↑TDLの悪趣味なホテル(好きな人ごめんなさい!)
船着場から良く見えます

潮風の吹く暑い桟橋でまったりと船を待っていると、無性にタヒチに行きたくなる。
時が凪いだようなこういう雰囲気は、タヒチの大きな魅力のひとつなのではないだろうか?
どこまでも続く青い海原に目を凝らしつつ、遠い異国に思いを馳せる・・・
だが、定刻きっちりにシーバスが到着。
こういうイトイトさは、日本の良いところなのだが、反面、興ざめな所でもあるな(笑

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↑シーバスは機動性が高くて、狭いところもすいすい

船から降り立ったのは真っ白に輝くシャツが目にまぶしいユニフォーム姿の船員さんたち。
一瞬イケメンに見えたが、オトコマエな女性であった。
ジェンダーフリーだ!かっこえ〜
これがタヒチだったら、船から出てくるのは伸びたTシャツ姿のタトゥーおっちゃんとかサンドレスのおばちゃんかなーと思いつつ乗船した。

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もちろん、上部甲板に一直線だ。
嵐でもない限り、船は外に限る(爆
出航したら海風が相当寒いだろうから、用心してありったけの服を着込んでいると、異様に赤黒く焼けたおっちゃんがふらっと上がってきて、一番風のあたらなそうな一角に直座りすると、スニーカーを脱いで足を投げ出した。
そのごく自然な振る舞い、どう考えても海の男である。
おっちゃんの海力の高さに舌を巻きつつ、そういえば日本も一応島国だし海洋国家なんだよねーと思う。
でも、海を忘れつつある現代日本人は、南の島の人たちに「日本人は泳げない」とか「海が怖い」とか言われて、バカにされるのだ。
そういう日本のビーチで、子どもやパパでもないのに海に入ろうとすると、「おかしい」と言われる。
サーフィンとかダイビングとか、スポーツになっていれば許容されるのだろうか?
ただ海で泳ぐのが好きなとんべりは、海女さんにでも転職して海の女になるしかない。
ダーマの神殿にでも行くか(笑

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↑海のおっちゃんと停留所

そうこうする内、船は静かに出港した。
スピーカーから「右を見ろ。〇〇だ」「左を見ろ。××だ」と観光案内される。
が、臨海公園近辺は工業地帯っぽくて、目に美しいようなものは特にない。
倉庫、船、工場。
それがなんともいい感じである。

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↑あっという間に遠ざかる公園

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↑コンテナ船、コンテナ置き場、ごみ処理場

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↑お腰につけたピストル(だろーな)が怖いですぅ(@o@;
何で乗ってる?

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↑いかだの上で無造作に飲食
なんか感動した

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↑こんな感じでタグボートに引かれてます

やがて船は、いくつもの橋や道路の下をくぐって、ビル街へと入っていく。
ここら辺の景観は、こちょこちょとせせこましくて、いかにも日本らしくて面白い。

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↑なんか有名なビル

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↑なんか有名なビル その2

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↑高速道路、橋、高速道路、橋・・・
マシーナリーなベニス、お台場

堤防に添ってぐっと回り込むと、来た来た!あれがレインボーブリッジだ!

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・・・あれ?
えーっと、なぜかとんべり、レインボーブリッジが広々した海原にずどーんとかかっているイメージを持っていたので、意外と狭いところにこしょっとあるのを見て、驚いてしまった。
(そりゃそーだ、大海原には橋はかけられんよ)
うーん、たしかにキレイだが、これを封鎖するのに血管切れそうなほど興奮していた小田ちゃんが、なんかちょっと笑える感じ。

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↑石垣つくりのお台場
江戸時代の秘密基地で、ここから黒船に大砲をぶっ放そうとしてました
ペルリびっくり!

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↑フジテレビの笑えるビル
狭いところにあれこれあって、羽田が近いせいか飛行機まで飛んでる
風景のお子様ランチだ(笑

桟橋に着くと、ここもまた結構な賑わいであるが、子どもの年齢層がぐっと上がって、グループデートに来てるコーコーセーとか、お手手を握り合ってる若いカップルがたくさん。
幼児や中学生よりははるかに静かだね(笑
下船したとんべり、まずはキャッシュコーナーに直行した。
恐ろしいことに葛西臨海公園近辺にはキャッシュコーナーがたったのひとつもなく、カードも使えず、残金140円という綱渡り状態でここまでたどり着いたとんべりである。
葛西臨海公園はマネーに関しては原始時代なので、現金を握り締めて行くことを強くお勧めする次第である(爆

タヒチ気分満喫のとんべり、昼は、名物とかいう『そば粉のガレット』を腹に収め、のんびりとユリカモメで帰宅の途についたのだった。
思わぬお子さんの猛攻にヘタリかかったとんべりだが、ショートクルージングで気分上々。
まずは滑り出し好調のGWであった。

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↑安いとはいえないが、行楽地価格で仕方なし
お味はグー♪

ところで、今頃ダンナは??
posted by とんべり at 13:49| 千葉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日々の光景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月05日

回遊する人とマグロ@葛西臨海公園 @

さて、無事ダンナを送り出したとんべりであるが、見ればあまりにもいいお天気である。
このまま帰るのはちょっともったいないので、久しぶりに公園を散策することにした。
作り物くさいTDLにはなかなか足の向かないとんべり家であるが、海と緑は大好きなので、ムスコがチビの時にはよく遊びに来たものである。
ここの名物は、なんといっても水族館。
巨大な水槽の中をでっかいマグロがぐるぐる回遊する光景は迫力満点である。

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↑ライラック。いい香りです

がしかし、水族館目指してぶらぶら歩いていると恐ろしいことに気がついた。
そこら中、異常なほどガキの集団だらけなのである。
なんとも不運なことに、遠足の大集団に行き会ってしまったらしい。
カナキリ声を上げる幼児、怒鳴る母親、走り回る小学生、叫ぶ先生、ひねくれる中学生、ひたすら集合写真を撮るカメラマン・・・
うわー、サイアク。。。

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↑これはほんの一端にすぎません・・・

こんな恐ろしいものと一緒に水族館に入っていく気がしなかったので、とりあえず人気の少ない浜の方に退避することにした。
ガキのごった煮みたいな水族館前とは打って変わって、浜は爽やかな潮風がゆったりと吹きぬけていく。
海の色こそ汚いが、ちょっとタヒチにいるような気分になる。
人の少なさも『タヒチ気分』を盛り上げてくれることに気がついた。
人ごみがあるだけで、すごく日本くさい(笑

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↑遠く海原に浮かぶフェリー

すると『シーバス』と書かれた看板が・・・

「お台場まで45分のショートクルージング大人1000円」

このなんともうららかな日に、船で海を渡るのは気持ちいいに違いない。
今年は島に行くこともないだろうし、たまには日本の海を楽しむのもグー。
人気のないチケット売り場で、さっそく最初の便の切符を購入した。
さて、出発までの2時間、どこかでつぶさなくてはならないが・・・
そろそろガキどもが捌けていることを期待して、水族館へ突入してみるか(笑

とんべりの読みは、当たっているようないないような状況であった。
ひねくれた中学生は観覧を終えて退館するところであったが、カナキリ声を上げる幼児と怒鳴る母親の後方部分が、今まさに水族館を汚染せんものと突入開始したところであった。
係員の死んだような目が、今日の災禍を如実に物語っていて恐ろしい。
が、いつまで待っても埒が明かないので、とんべりも突入開始だ。

思ったとおり、館内は阿鼻叫喚地獄であった。
まず最初にサメの水槽があるのだが、サメが回るだけで興奮しきった幼児の絶叫がホールにわんわんと響き渡る。
「このバケモノ!しね!しね!」と言って水槽をガンガン叩く。
バケモノはおまえじゃー(滝汗

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↑絶叫その1

次に名物のマグロ大水槽にやってくるのだが、ここもひどい有様である。
でかいマグロが泳いで来るたび、絶叫するガキども。
友達の名前を叫びながら、走り回るガキども。
水槽前にガキを立たせて、フラッシュたきまくりで写真を撮るバカ母。
アナウンスのおねいさんが、「魚が驚きますのでフラッシュでの撮影はお控え下さい」と繰り返し訴えるのだが、己のカナキリ声と怒鳴り声に耳をふさがれているガキ&母の耳に届こうはずもなく、バカ母どもは次々と白壁写真を量産していく。

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↑絶叫その2
かなりでかいので、叫ぶ気持ちもわかりますが・・・

次に海域別の小水槽に進むと、ここもすごい。
とんべり、蹴られる踏まれるどつかれる。
おちおち写真も撮っていられない。
こっちもどさくさにまぎれて、どつき返しておいた(爆

ここからしばらくは、魚たちの愛嬌ある姿をご覧ください♪

↓まずは大物

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↑絶叫その3
ハタでしょうか。幼児くらいの大きさはありましたな。

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↑絶叫その4
これも大きかった。

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↑絶叫その5
これはとんべりも絶叫したかった!きれいなナポレオン♪

↓次に島でしょっちゅうお目にかかる小物たち

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↓フグさんたち

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↑ハリセンボン
目力ありすぎ

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↓今回の主役?ポスターにもなっていたベラ
あまりにかわいいので、たくさん撮ってしまいました〜♪

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↓地味系

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↑擬態ってすごいですよねー

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↑NCのリフーでダイビングした時は、自分よりでっかい海団扇の林の中を潜っていきました。
ちょっと禍々しい感じ。

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↑食べ応えのありそうな高足蟹ですが・・・
写りこんでるガキが走り回ってるのが見えますでしょうか?(汗

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↑最初はプラの置物かと思った(笑
どうもイソギンチャクの仲間らしいです。

かくのごとく、魚を見に来たのやら人を見に来たのやらといった、大型連休ならではの状況ではあったが、ふと気がつくとあれだけたくさんいたガキも母親もすっかり姿を消していて、水族館はまたいつもの静かなたたずまいに戻っていた。
やれやれ。
スタッフも気の毒だが、魚も気の毒。
とんだ厄日だ。
でも、これもおまんまの種だからしょうがないのかもしれない。

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↑ここの水槽はドーナッツ状で、外と内から眺められるようになってます。
ヒーリングミュージックも流れていて、本来は心が洗われるような、とても静かで居心地の良いところです。

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↑ガラス越しのコミュニケーション

次はペンギン水槽にやってきた。
不思議なことに、たくさんのペンギンが陸にたたずんで同じ方向を眺めている。
その姿、まるで何かを待っているような感じだ。

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ダンナから聞いた話であるが、あるペンギンは繁殖期になるとオスが最初に営巣地に戻ってきて、巣の準備をしてメスの到着を待つのだそうである。
あまりにメスの到着が遅いと待ちきれずに海岸に探しにきたりして、夕方になるととぼとぼ帰っていくそうだ。
一夫一婦制で同じペアで営巣するらしいのだが、中には片割れが死んでしまって、待っても待っても会えず終いということもあるだろう。
そんなことを思い出して、なんだかいじましくなってしまった。
うちのダンナもケガなどせず帰ってきてくれると良いのだが・・・と、ちょっとだけ心配になる。
もっとも、とんべりは家事もしないでこんなところで遊んでいる(笑

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最後はGWスペシャル、エイとサメのおさわりコーナーである。
とんべり、動物のおさわりが大好き。
犬猫ウサギや鳥ヒヨコ、ヤギ豚はもちろんのこと、イルカもおさわりしたくてわざわざパラオまで行ったほどである。
飼ってるカメもさわりまくってる。
もちろん、ここでもさっそく手を洗って、レッツおさわり♪
そういえば、フィジーかボラボラでエイの大集団とおさわり遊泳したことがある。
エイは犬みたいに人懐こくてかわいい。泳いでると人のフィンを魚と間違えてかじったりする。
ちなみにイルカは、あったかい生ナスの感触である。しかも新陳代謝が盛んでいつも垢が寄れているのだ(笑

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↑エイはぬめっとしていて、サメはざらざら(笑

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↑人の背より高いジャイアントケルプ。
すごい迫力

そうこうしているうちに、あっという間に2時間は経った。
急いでシーバス乗り場に移動だ!(Aに続く)

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↑水族館のおもしろ鯉のぼり
posted by とんべり at 23:55| 千葉 | Comment(2) | TrackBack(0) | 日々の光景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月02日

今年はフル@日本横断『川の道』フットレース2010 @

IMGP3215.jpgGWがやってきて、またまた今年も『川の道』に参加することにしたダンナである。
しかも、今年はフル―約520キロを6日間で走る―に挑戦だ。
さすが、とんべりのダンナだけのことはある。夫婦そろって無謀ペア(爆

『川の道』はちょっと面白い。
ハーフとフルの部があるのだが、参加しやすいハーフより難度めちゃ高のフルの方が圧倒的に多数派だ。
しかも、『例年のように参加して完走』してる人がざらに(といっても今までの5大会で61名)いるんだから、信じられない。
きっとフルには、超弩級のドーパミン誘導作用があるに違いないのだ!(笑
そして、全員のコメントが冊子に載るのだが、フル出場者の口にする言葉は、スポーツというよりむしろ人生哲学の響きをもっている。
しかも、参加者の主な年齢は50〜60代。
30〜40代なんて蒙古斑の浮いた青二才である。
10〜20代はいない。たぶん、あんなに長く走る気力が育ってないんだな(笑
ヤングが幅を利かすタヒチアン・ダンス界で、時々、居心地の悪い思いをしているとんべりだが、あの冊子を読んでいると、参加者の年齢だとか、やってることの半端ないすごさだとか、含蓄深い言葉にとてつもなく勇気付けられる。
どうも日本という国は、『体を動かす=若さ』のような通念があるように思えてならない。
おじちゃん・おばちゃんになったら『健康のため』程度にたしなむのはOKだけど、度を越してはしゃぎまくるのはみっともないからやめなさい、みたいな空気をすごく感じる。
はしゃぎたいんだし、ムリしたいんだし、できるんだからやらせろ!と、声を大にして叫びたいとんべりである。
文句のあるヤツは、このレースを見ろ!!

というわけで、ダンナもかつてない脳内麻薬物質の奔流に身を任すべくフルの参加に踏み切ったわけだが、どうも今年は準備がうまくいかなかった。
仕事がトラブって2日前まで参加できるかあぶなかったし、ここ一月で、畳み上げるように練習量を増やし体重も落としたので、疲れも溜まってアキレス腱にも違和感を感じていたようである。
前日も遅くまで荷物のパッキングをしていて、これからものすごく睡眠不足になるのにだいじょうぶなのかなあと、さすがに心配になった。

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↑こじんまりといい感じです

スタート当日。
今年は天候不順で、ダンナのダイエットの友『キャベツ』も高騰し、暑かったり寒かったり、やたら雨が降ったりの天気だったが、ここにきてやっと安定してきたようである。
レースに味方するように爽やかに晴れ渡った青空の下、葛西臨海公園の交番前に集合した。
参加人数は少なく、アットホームですごくいい感じである。
主催の方に「今年もよろしくお願いします」なんて声をかけてたり、「また川の道の季節ですね」なんて時候の挨拶をしてたり・・・
ダンナによれば、前日の説明会に行くと年齢層が高くて「これ一体、何の大会?」といった趣があるんだそうだが、レース仕様になった選手のボデーはラン・タイツ越しにうかがえる脚もきりりと引き締まり、マッスル・フェチとんべりの鑑賞眼を大いに楽しませてくれる♪えへへへ
準備しながらダンナが「あれが前回チャンピオン」と教えてくれる。
前回チャンピオンはとんべりとあまり年の変わらない女性で、小柄でかわいらしい、笑顔のチャーミングな方である。
その見かけから、参加者のおっさんどもから『女傑』と恐れられる力をうかがい知ることは難しい。

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↑前回チャンピオンとミスター川の道
永久ゼッケン5は初期の完走者ですね♪

「あれがイタキチさん」
ご存知、クリールで体験記をものしてるイタキチさんだが、細身の美人である!
イタキチさんもすごい走力の持ち主らしい。女つえーー(汗

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↑小走りのイタキチさん
体験記からは想像できない美人

男はどうした、だらしがないぞ!と思ったら、なんと韓国から初参戦。
韓国内の数々の長距離レースで優勝している男性で、今年の『川の道』優勝候補筆頭らしい。
すわ日韓対決か?!とナショナリズムの高揚を感じたとんべりであるが(爆)、韓国チャンピオンも会ってみれば穏やかな物腰の笑顔がすてきな人である。

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↑日韓対決って聞くと血流がアップするのはとんべりだけじゃないでしょう(爆

参加者はみな、心にとてつもない闘志と必死の決意を固めて参加しているはずだが、どの人も笑顔が美しいのが印象的だ。
きびしい鍛錬で余計なものがそぎ落とされ、残ったのは『笑顔』だった・・・とでも言えばいいのだろうか。

「あれが師匠」
超長距離界のカリスマ、三遊亭楽松師匠。
日本横断520キロだって充分おかしいのに、今年は宗谷岬から沖縄まで縦断3000キロを走るそうである。
超長距離を走る人って変。
東京から新潟までレースを走って、そのレース後に東京まで走って帰ってくる人がいるようなのである。
「帰りは新幹線」「あ、ワタシは車」「オレ、走り」「じゃーねー♪」って感じか?(爆

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↑お着替え中、失礼しました師匠!


スタート10分前。
みんなそろって恒例の集合写真の撮影である。
韓国チャンピオンにカメラを渡され撮影を依頼される。
日韓交流。まかせとけやー
ダンナは、前回チャンピオン、韓国チャンピオン、イタキチさんの近くでちゃっかり横断幕を手にしている。
このショットは、弱小ブロガーとんべりへのサービスと見たぞ(笑

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↑おいしいショット♪

ネタをしっかり仕込んだところで、いよいよ出発だ。
1週間近くというあまりに長いレース。
ふだんは放置妻のとんべりも、さすがに緊張する。
準備不足と体調不良を押しての参加だし、冒すのは『可能なムリ』だけにしといてほしい。
入院騒ぎなんかになろうものなら、息子を心から愛する義母に折檻されるのはヨメのとんべりだからなー(爆

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↑旅立つ勇者
バラモスを倒すとゾーマが出現
冒険と挑戦には終わりがありませんな(笑

まったりとしたカウントダウンと緩いホイッスルの音。
「スタートです!」
何の騒ぎかと見守る、偶然通りかかったお出かけの衆。
遠足のガキどもを避けるように橋を渡っていく選手たち。
今年も『すべての山を越えて』のメロディーが園内に響く。
長い旅に赴く人々の上には、くっきりとした青空だ。
その清流のような青さの中、色鮮やかな鯉のぼりが風に乗って勢い良く翻っている。

今年も、川登りが始まった。(Aに続く)

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posted by とんべり at 11:27| 千葉 | Comment(0) | TrackBack(0) | タヒチ走遊会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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